麻雀のはなし 戦術編

麻雀の戦術について書きたいと思う。本を読もう!おしまい!

 

なんて言っても、本を買ってまで本気で麻雀の勉強がしたい人は、有名どころの本なんかとっくに読んでいることでしょう。

ガチガチの初心者なんて、それよりも先に役を憶えることで手一杯でしょうし、事実それくらいしかアドバイスできません。

5ブロック打法ができて、両面を含む好形が理解できていれば、中級者なんてあっという間です。(ピンフ和了れる人は立派な中級者)

 

5ブロック打法について・・・(ググってみよう!)

 

頻出する好形の牌姿・・・は「何切る問題」とかをやれば自然と覚えられると思います。

自分で麻雀を打っていて、打牌に迷った局面を後から見返したりメモったりしておくのも大変勉強になります。大事なのは自分の手牌だけではなく、他家との点数差や、場面すべての情報を加味した設問であることが望ましいです。必要な点数によって打牌選択が変わったりもしますので。

 

ここからはツマンナイので畳みます。(実戦牌譜あり)

 

ネット麻雀全盛の現代において、符計算は軽視されがちですが、むしろ麻雀をある程度学んできて「戦術的な知識が欲しいな」と思っている人には、是非点数を意識したプレイを心がけてもらいたいです。

 

たとえばこんな牌姿。場況はオーラスで25000点持ちの3位ラス親。下家のトップは29500点です。

ラスの上家との点差は7100点なので、いわゆる「平場」に近い、うかうかしていられない痺れるオーラスです。跳満ツモられても西入しますが、親被りで苦しいラスになることは間違いありません。さっさと1位で終了したい場面ですね。

ドラが2sで赤5mを引いてきたところ。4巡目でこの牌姿は絶好と言えます。東1局なら鳴いてでもタンヤオドラ3の12000点を拾いたいですし、メンタンピンツモイーペーコードラ3*1の8000オールまで見える夢のある牌姿。

しかしながら、この状況では5000点さえあればトップで終了です。もちろん親連荘で続行してもいいのですが、長引くほど逆転されるリスクも増えます。さて、この条件を満たしつつ最も和了率の高そうな打牌選択はなんでしょうか?

8mのトイツ落とし→最高形を見る2シャンテン。両面が2つ残るが、9pはタンヤオを否定するためクイタンはしづらい。

78pの両面落とし→タンヤオを確定させる1シャンテン。3sがチーできれば・・・という苦しさは残る。

打5s→すべての両面を残したままチートイツも見る2シャンテン。可能性と打点の高さは最大だが、そのぶん選択に迷い速度に不安が残る。

私が選択したのは赤5mツモ切りでした。8mトイツ落としと欠点は同じですが、シャンテン数がこちらの方が上です。なおかつ点数は5800以上が確定します。ここで点数計算ができているかどうかで、赤5mが切れるかどうかの境目になるのです。

234sのイーペーコーが確定するので、69pを引いてもダマテンに構えられるし、7mを引いたら8m切り→69pを引いて36s待ちのピンフか、1436sの4面待ちリーチが打てます。*2

 

この記事を書きながら気が付きましたが、2s切りも選択肢としてはアリですね。確定でドラ2の両面リーチをかけられますし、6pチーでも条件を満たした聴牌をとれる1シャンテンです。

「何切る問題」と違って、実戦ではどれを選択しても不正解ということは無いですが、点数計算ができないと選択肢が狭まることは事実です。

特に「ドラは勿体ないから切れない」「両面は勿体ないから切れない」となって、悩んだあげく慌てて3sや4sを切ってしまう初心者の人をよく見ます。クイタンで和了さえできればドラは2枚でいいので、何とかなったりするのも事実ですが、鳴いて手牌を短くするということは放銃のリスクも高まることは周知の事実。バランスのとれた打牌をしたいのであれば、点数計算は必修科目です。

 

この表を、丸暗記する必要はありません。これでもかなり簡略化されていますが*3より実践で頻出するのは30符と40符だけです。(ちなみにチートイツは25符扱いなので50符を憶えればOKです)

上記の表は何の法則もない適当な数字が並んでいるように見えて、実はざっくりと法則があります。

子は1翻につき1000点、親はその1.5倍の1500点」というのがベースになっています。(正確には2900点とか半端な数字ですが、その辺は最初はざっくりでいいです。なお30符4翻は切り上げて満貫にするルールの場合も。)

30符の2翻は60符の1翻と同じ点数」というように、符が倍になると1翻ぶんのブーストがかかります。これも覚えておくと便利です。30符、40符、50符しか覚えなくてよいと言ったのはこのためです。(20符、25符、30符でもいいですね。)

あとは頻出する点数の申告を音で覚えるのも有効です。「タンピンツモで、イチサンニーロク」とか「ロン、タンヤオドラ3でピンピンロク」といった具合。(チートイツはクンロク、ロクヨンなど)

肝心の符に関してですが、実は驚くほど簡単な割に説明がややこしく、しかもそれほど変化しない、いわゆる符ハネというやつは起きません。(複数のポンやカンが入った場合のみ)

符というのは揃えづらい暗刻やカン、和了りにくい愚形に対してボーナスがつくというシステムなのですが、ポンやカンが入るほど簡単に満貫になることが多いので最初は無視できるレベル。暗刻が2個以上で符ハネするかなーといった具合。

ざっくり覚えるべきなのは「鳴いたら30符、面前ロンなら40符、ピンフツモは20符ロンは30符、チートイは常に25符」これだけです。

太字の部分を憶えるだけで、点数計算の8割はできていると言っても過言ではありません。親は子の1.5倍支払う代わりに、和了した時は1.5倍貰えることも覚えておけば、表の半分は暗記する必要ないわけですし。

一度覚えてしまえば、九九の丸暗記とそんなに変わらないことが分かると思います。

 

実戦牌譜からオーラスを切り出して、「どう組み立てた上で何を切るか」という問題をやってみるのが練習になります。

1位の親とは8600点差、4300点以上の直撃か満貫ツモの条件です。*44翻作るのを目標にしたいですね。

(めちゃくちゃ細かいことを言うと、親がリー棒を出してくれれば3翻3900直撃、他家でもリー棒が出れば1300-2600ツモでも条件クリアになります。こんな感じでグルグル条件が変化するのも面白いところ。暗算力が試される!)

幸いなことに白とダブ南がトイツなので、7sにドラがくっつくか、ピンズのホンイツ、9mを絡めてトイトイかチャンタで条件を満たします。私は自由度が高くトイトイと両天秤にとれるホンイツを目指し、7s切りとしました。

結果は字牌を両方鳴けて、ホンイツから満貫ツモで逆転トップ。上家が1位というのも大きかったと思います。見え見えのホンイツで親の手作りを制限することができましたので。

逆にこちらは逆転の難しいオーラス状況。1位を目指すか2位を目指すかで最善手が変わってきますね。

1位とは44500点差、2位とは5900点差。親の点数が虫の息なので、速度を考えると2着が現実的ですが、親も当然和了して連荘を狙ってきています。

1位を目指す場合は、三倍満の直撃かダブル役満のツモ。はい無理です。2位とは3000点以上の直撃か、ツモの場合は4翻必要そうです。(40符3翻ツモは符ハネが必要なのでやや条件がつく。白暗刻で愚形待ちにしたときだけ等。)

この時は赤を含む5pを2枚引いたので、チートイツに向かいましたが、理想は先程と同様にホンイツを目指したかったです。

ホンイツは簡単に打点を上げられる反面、警戒されやすく鳴けば防御も落ちます。あとダマテンにも弱いですね。他の色で待たれたら簡単に切ってしまいますし。

ただし今回は先程と違い、上家がほぼ不動のトップ確定。少々の放銃はものともしないので、死に体の親が息を吹き返すよりは減点してでも対局を終わらせたいと考える人も多いです。

つまり、上家は自分がトップで終了するなら誰が2着だろうと関係ないので、ある種の共闘関係が生まれます。私は下家の親に連荘されたくないものの、自分以外が放銃する分にはチャンスなのでそれほど手作りに制限はかかりません。(下家の親が連荘を優先して甘い牌を切れば、対面に有利に働くというリスクはありますが。)

このように、場況を読むということは他家の思惑も絡んでくるので、手作りが楽になったり苦しくなったりもします。

こういう考え方がオーラス以外でもできる癖をつけると、俄然麻雀が戦略的になって楽しいです。(親の時は打点を下げて速度重視の連荘狙いとか、逆に親の連荘を止めるために安手で和了るとか。)

頭脳ゲームにおいて、盤面外の情報である「人読み」というのは賛否両論ありますし、私個人はゲームのシステムやロジックを無視した思考放棄に繋がるので推奨はしていませんが、状況や情報における普遍的な「人の心理傾向」というのは無視できない点だと思っています。

運の要素が大きいからこそ、初心者も参入しやすく、戦術的に選択肢が多いのが麻雀の良いところですが、何より「手牌の向こうに生きている人間がいる」というのも、かかせない麻雀の要素です。やっぱりAIじゃ味気ないですもん。

 

きりがないのでまとめ。

大きな点数で最下位からドーンとTOPになることも麻雀の醍醐味の一つですが、必要な点差を最小限の労力でひっくり返すのもまた、頭脳派でカッコイイ麻雀の醍醐味でもあります。

「難易度の高い逆転よりも、安手で2着を拾っておこう」みたいなコスパ重視の打ち方も、ネット麻雀に適した必須なテクニックですしね。

1000点や100点に泣かされるのもまた、麻雀です。目まぐるしく変化する卓上の場況を読み取るのはセンスや才能だと思われがちですが、実は誰でもできる簡単な暗記の積み重ねです。

 

私がTOPの時には大人しく2位確定和了をしてくれる人が一人でも増えますように・・・という打算も込めて。楽しい麻雀ライフをお送りください。

*1:なんだこの呪文

*2:4面待ちは2s切りリーチなので、出上がりの場合は裏ドラが無いと3900点になってしまうためツモ専になるかも。

*3:実際は90符とか110符とかもあるため

*4:同点の場合、親番の早いほうが1位になります。