『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』ほか感想

最近にはじまった話では無いが、新しい映画を発掘しようという気力はなかなか湧いてこない。やっぱりVODが良くないんでしょうかね。さらっと見てnot for meの雰囲気を感じたら視聴を止める、そんなことを繰り返す内に昔観て面白かった作品をもう一度再生してしまったりする。

Netflixの再生履歴を眺めてみれば、そんな作品で埋め尽くされている。

 

さらっと紹介していくので映画の詳細は省く。

漫画の実写化で、1作目は『ザ・ファブル』、続いてこちらが2作目の『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』 副題がついているだけで非常に紛らわしく、Netflixで続編が配信されていることに長らく気付かなかった。

1作目では、劇画調のシリアスな絵柄にシュールなギャグを挟む原作を、しっかりと実写に落とし込んでいたのだが

客寄せなのか、やや大げさに過ぎる映画オリジナルのアクションシーンが目に余った印象。

良くも悪くも2作目もそれを踏襲しており、露骨に原作ファンと実写映画にしか興味の無いにわかファンへの両面に媚を売ったような完成度になっている。

基本的に原作至上主義なので、メディアミックスが原作に悪影響を与えない限りはどんなに酷い出来であったとしても「ふーん、こんな風に作ったんだ。まあ原作面白いからいいけどね」というスタンスをとっている。

原作好きとしてはギリ及第点か、ややそれを下回るかなぁといった感想。

 

こっから視聴履歴から抜粋。

・『残穢 住んではいけない部屋』

過去に視聴済み。読者投稿の怪談を編集するライターが、マンションや土地にまつわる怪談に奇妙な符合を発見し調査していくミステリ仕立ての良作。原作もオススメ。

作者である小野不由美の新作『営繕かるかや怪異譚』を読んで、面白かったので再視聴した流れ。こっちは漫画化していて同様にオススメできる。どちらも身近で湿度がありながら、怖すぎないJホラー感が好き。

 

・『ラストサムライ

いつかもう一度見ようと思っていたリストの作品。真田広之のアクションシーンがすごい。

美術や小道具的、演出的な面ではハリウッドのトンデモ日本観を脱し切れておらず、またトム・クルーズの日本語はおろか、ネイティブの日本人キャストの日本語すらまともに聞き取れない。なんで英語字幕で日本語のセリフ内容を推測せねばならんのだ。

制作環境はかなり頑張ってはいるが、異文化の描写という点では意欲作の域を出ない。

 

・『ラストキャッスル』

ラスト繋がり。視聴済みかどうか記憶になかったが、15分くらいして「あ、これ見たことある」ってなった。刑務所の映画が好きなもので。

ショーシャンクの空に』のような、受刑者が管理する側に一泡吹かせる作品だけど、ケイパームービーにあるような手の込んだ仕掛けみたいなものはあまりない。「そうはならんやろ」という大味なシーンも多く、主人公にもあまり感情移入できない。

 

・『パトリオット

視聴済み。2時間半と少々長尺だが、王道的なストーリーで中だるみせずに観れる。メル・ギブソンは好きや・・・。

 

・『レインメーカー

視聴済み。『ゴッドファーザー』の監督が、売れない俳優時代のマット・デイモンを主役に抜擢した出世作とも言える作品だが、法廷もの好きのアメリカにおいても余りぱっとせず、地味な映画。同年の『グッドウィルハンティング』のインパクトが大きすぎたきらいがある。

 

・『地獄の変異

視聴済み。『サンクタム』と勘違いして見たが、地上波公開時のCMで野沢那智がナレーションを入れていた記憶しかない。ホラー映画としても前年の『ディセント』のほうが出来が良く、ダサい邦題とスーパーチープなオチの印象しか残らなかった。

 

・『ノッティングヒルの恋人

中学生ぶりに再視聴。恋愛映画って基本的に大人が見るものだけど、これはドロドロしすぎず子供も見れて、時代を超えて視聴に耐えうる良作だと思う。

ジュリア・ロバーツは特別美人というイメージは無いが、演技力の幅は広いと思う。

 

・『インターセプター』

今年公開の作品とは思えないほどチープで凡庸な作品。00年代にこういう映画たくさんあったよね。

軽いB級アクション映画としては見れるが、無駄に目が肥えてしまった今では、あらゆる演出がチープに見えて直視できない場面が多かった。

 

 

全然関係ないんですが、叙述トリックのミステリ小説を2冊続けて読んでしまい、今更ながら自分はこういう小説が苦手なんだと気付きました。驚きとか盛り上がりは作品の最終盤には不要だと思っていて、短編で済むような文章テクニックに延々と付き合わされてしまったな、という徒労感だけが残ってしまう。

オチにどんでん返しのあるような映画だと余り気にならないんだけど、何が違うのかと考えて悶々としています。