お題その6

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ググってみたけど、流行ってるのかはよく分からなかった。*1

本来は54字で文学性を表現するってものだと思うんだけど

「意味が分かると」系として、まとめブログとかNAVERに書かれてそう。

例題とか受賞作を見てみると、やっぱりホラーとかオカルトっぽいものが中心。

というわけで、ぱっと思いついたものもこんな感じになった。

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なぜ54字なのかという、その数字の必然性は書いてみると分かる。*2

主語と述語で構成される、一つの単純な文節に対して

必要最低限の形容詞や修飾語をつけていくと、大体20~30文字になる。

これを二文節で完結させよという、いわば「即オチ2コマ」ってやつですね。

こう書くとTwitterでよく見る画像ネタよろしく、敷居も低くて流行してるのも頷ける。(流行ってるのかはよく分からんけど。)

 部長から、問題を起こした者は処罰すると釘を刺された。 ←26文字
パワハラがひどいので、僕もホームセンターに買いに行こう。 ←28文字

 横書きのほうが説明しやすいので、引用文にするとこう。

 

致命的な欠点として、フォーマット(原稿用紙風)が使いづらい、読みにくい。

原稿用紙に文章を書く場合は、原則として句読点は行の最初に持ってきてはいけない。

上記画像の5行目などはダメな例。4行目の最終マスか、欄外に書くのが決まり。

鍵括弧などの記号も含めて「54字」というルールがそれをややこしくしていて

もうちょっと何とかならなかったのか?という気がしないでもない。

受賞している作品はこのへんをちゃんと理解しつつ、努力した形跡が見られるが

そのせいで投稿者も納得のいっていない文章になっている印象を受ける。

とはいえ、綺麗な文章や本来の書式ルールに則らずとも受賞している作品はあるので、これはこれでゲームを円滑に行う決まりとして、やむ無しといったところか。

 

ただ、無理やり改行させられていくというのがとにかく読みづらい。

日本語というのは、結論を後回しに持っていく傾向が強いので長い文章であればあるほど集中力が必要になる。

短期記憶で文節の冒頭を記憶しつつ、読み進めて符合させる作業の繰り返しが読書だ。

改行とはその短期記憶を阻害させるので、闇雲な改行は読みづらさに拍車をかける。

適度な改行は記憶を整理させるのに有効なので、意外とテクニックやセンスが問われる。

ちなみに私の文章も句読点や改行の使い方が独特なので、恐らく読みづらいと感じる人は多いと思う。

普段の言動を知っている人なら分かると思うが、余計な一言が多いのでこういう文体になりやすい。

要するに修飾語や形容詞が過剰なので、もっと整理して書きましょうってことですね。

たった6行なのに何を細かいことを、と思う人もいるだろうが

出版社の行うコンクールって販促だけじゃなく、未来の作家養成にも繋がることなので

いくらラノベの売り上げがあるからといって、作り手のレベルを下げてまでやることとは思えない。

 

ちなみにストーリー性のある文章力を鍛えたいなら三行でやったほうがいい。

いわゆる起承転結を学ぶならこれくらいが最小単位だ。

*1:本そのものは大して売れてない。

*2:他にもあるのかもしれんけど。